消費者金融のカードローンはお金を借りるもの。クレジットカードは買い物をするもの。

この2種類、全然別ものではないかと思われるかもしれません。

ですがこの2種類のアイテム、比べると、実のところかなりよく似ています。

共通点に着目したうえで、それでもやはり違うという点を見ていきましょう。

どちらも利用するには審査が必要

カードローンもクレジットカードも、申し込んで審査に通過しないと持てません。

この審査が非常にスピーディなのが消費者金融。

ほとんどの場合、審査を1時間未満で終わらせてしまいます。ですから利用する側も、申し込んですぐに融資が受けられるのです。

クレジットカードの場合、審査終了まで2週間以上掛かることも珍しくはありません。

もっともクレジットカードにも、審査の非常に早いものがあります。消費者金融と同様、パターン化された審査によって、迅速な審査を実現しているのです。

カードカウンターを持つクレジットカードの場合、消費者金融のように、即日でカードが受け取れるものもあります。

以下のカードがそうです。

セゾンカード
エポスカード
エムアイカード

これらのカードは、即日キャッシングのために申し込むことも可能になっていて、この点で消費者金融カードローンと同じ性質を持っています。

根拠法令は異なるが、同じ情報を利用している

銀行カードローンは根拠法令が銀行法ですが、消費者金融の場合、根拠法令は貸金業法です。

いっぽう、クレジットカードは割賦販売法です。

根拠法令が違うので、規制の内容も違うのです。

ですが、消費者金融もクレジットカード会社もともに、CIC、JICCなどの信用情報機関の会員です。同じ信用情報を参照して、入会審査をおこなっています。

どちらも信用に基づいて利用できるものなので、滞納すると同じ結果が生じます。

どちらも審査で個人信用情報を見られる

審査では、カードローンもクレジットカードも、おおむね同一の項目を確認します。次の通りです。

安定した収入の有無
勤務先情報
他社借入額と件数
クレジット・ローンの残高
クレジット・ローン滞納の有無
住居情報
家族情報

カードローン、クレジットカードどちらであっても、収入と借入れのバランスが審査にあたって重要です。

申込者の申告による情報だけではなく、各人の個人信用情報にも当たります。

個人信用情報は、個人の過去5年のクレジットおよびローンの履歴です。他社の借入れ情報、滞納状況などはすべて記載されています。

長期の滞納のある、いわゆるブラックの人や滞納の回数の多い人は、この記録が消えるまで審査に通りません。

借入額と件数の多過ぎる人も同様です。

こうしてみると、カードローンもクレジットカードも、信用によって持てるものである点、非常に共通していることがよくわかります。

そして残念なことに、どちらも利用によって信用を失ってしまう人も多いのです。

年会費の有無

カードローンというものは年会費を徴収しません。

たまに、「年会費無料」と広告に書かれている中小のカードローンがありますが、いちいち強調するほどの内容ではありません。

消費者金融は利息商売なので、年会費を取る必要はないのです。

これに対し、クレジットカードには基本的に年会費があります。スタンダードクラスのカードだと1,000円台からです。

もっとも昨今は、クレジットカードも年会費無料、または条件付き無料のものが増えてきました。むしろスタンダードクラスのカードでは、主流になっています。

即日入手できるエポスカードや、セゾンカードも年会費無料です。

どちらにもある限度額の考え方

カードローンは、現金を借り入れるのではなく、限度額を設定してもらうもの。

現金を借り入れる目的ローンとの大きな違いです。

限度額の範囲内で、繰り返し借り入れができるのがカードローンのメリット。

いっぽう、クレジットカードのショッピング枠にも限度額が設定されています。審査によって設定されるという点は変わりません。

クレジットカードの限度額は、決済後、まだ支払っていない額全体について適用されます。

限度額を超えてしまうと、それ以上買い物はできません。

カードローンもクレジットカードも、限度額は持つ人の信用の証です。

ですから、信用が上がるにつれ、限度額を増やしてもらえます。

信用を積み上げるのは、格別難しいものではありません。しっかり使ってしっかり支払う(返済する)ことで大きくなっていきます。

同じ勤務先に勤め続けるだけでも信用は上がります。

どちらでもお金が借りられる

クレジットカードにはキャッシング枠が付いています。深く考えずに、申し込んでいる人が多いでしょう。

このキャッシング枠は、貸金業法に基づいて設定されるもの。法律上の性質は、カードローンとまったく一緒です。

クレジットカードから、ショッピング枠を抜いたものがカードローンだともいえるわけです。

カードローンというと、決して手を触れてはならないもののように思う人も世にはいるのですが、クレジットカードのキャッシング枠を念頭に置けば、それほど特殊なものとはいえません。

もっともカードローンは貸金に特化しているだけあり、お金を借りることで比較すると、サービスが充実しています。

サービスとは、借入れと返済の方法が数多く存在すること、さらに極力ATM手数料を発生させないことです。

無利息期間のサービスも含まれます。

クレジットカードでのキャッシングでは、これらの点は決して強くありません。

もっとも、ATM手数料を完全無料にしてしまったエポスカードなど、あらゆるキャッシングの機能が消費者金融を上回っているクレジットカードも、中にはあります。

海外キャッシングができるのはクレジットカードだけ

カードローンが、クレジットカードのキャッシング枠にかなわない点があります。それが海外キャッシング。

海外に行っても、最低限の現金は必要です。両替よりも、ずっと安い手数料で現地通貨が作れる優れた方法が海外キャッシングです。クレジットカードの国際ブランドのおかげで、これができるのです。

借入れによる利息を考慮しても、もっともお得な方法です。

リボ払いについて

クレジットカードでのショッピングは、収入の範囲内で使っているなら大きく問題のあるものではありません。

一括払いや二回払い、ボーナス一括払いを使っていれば、利息も発生しません。

ですが、クレジットカードのショッピングで、世間に評判のよくない使い方があります。それがリボ払い。

リボ払いは、毎月一定額を支払えばいいので計画的に使えるという触れ込みで、カード会社が積極的に宣伝しています。

ですが、支払った一定額を超える部分は残高として残り、そこに利息が付くわけです。

リボ払いのお陰でつい購入額が増えてしまい、しかも残高がなかなか減らず、思わぬ借金を抱えてしまう人もいます。

そこから多重債務者になる人もいるため、消費者保護の観点から問題があるとされているのです。

もっとも、リボ払いも意図的に、借金であることを自覚して使うなら、何ら問題のあるものではありません。

カードローンは金利がおおむね18.0%ですが、ショッピングリボ払いの場合15.0%も多く、金利が優遇されているといえます。

いっぽう、カードローンに関しては、最初からリボ払いです。

カードローンは借金であって、いきなり全額を返済(一回払い)するような性質のものではありません。毎月一定額を支払うリボ払いになっているのは当然のことです。

まとめ

カードローンとクレジットカードとの違いを見てきましたが、むしろ共通点のほうがずっと多いのに気付かれたのではないでしょうか。

カードローンの利用には注意すべき点が多々ありますが、クレジットカードでも、リボ払いなど使っていれば同じことになるわけです。

いずれにしても、便利なアイテムほど、十分に気を付けて、きちんと信念をもって利用したいものです。