ノンバンクという言葉は、最近はあまり聞かれなくなったかもしれません。
ノンバンクは「銀行ではない機関」の意味です。
何の業務をするかというと、貸金業です。
貸金業者といえばいいのですが、ノンバンクという別の用語があるわけです。
ノンバンクについて見ていきましょう。
ノンバンクは身近なもの?
以前は、ノンバンクという言葉は、ビジネス分野で多く使われたと思われます。
銀行が貸してくれないビジネス融資を行う、たとえば商工ローン等については、ノンバンクと呼ばれることが多かったようです。
ビジネス分野でよく使う言葉が、ビジネスローンの業者に使われるのは比較的自然です。
この、ノンバンクという言葉には、偏見は特に含まれていません。
たとえば「サラ金」という言葉に、のちに自然と悪いイメージが加わったようなマイナス評価は一切ありません。
商工ローンの中には、過酷な取り立てにより世間を騒然とさせた業者もあったのですが、ノンバンクと呼んでいる限りはまったく平和なもの。
もちろん、商工ローンだけがノンバンクではありません。
個人向け融資を行う貸金業者も、もとよりノンバンクです。
消費者金融も、ノンバンクです。もっとも消費者金融を指してノンバンクと呼ぶことは、めったにないでしょう。あるとすれば、同じ貸金業かいのカテゴリにまとめる必要がある際だけです。
さて個人向けの融資は、消費者金融や銀行だけがおこなっているわけではありません。
銀行系クレジットカード会社や信販会社も、カードローン商品等を発行して融資をしています。
比較的一般的には地味な商品なので、知名度もなく、この商品群についてのまとまった呼び名もありません。
これらを指してノンバンクというのは、言葉の使い方としてはぴったりに思えます。
《ノンバンクという言葉を使う業界》
消費者金融・・・あまり使わない |
商工ローン・・・まあまあ使う |
クレジットカード、信販会社の融資部門・・・使う。ぴったり |
ノンバンクのカードローン
ノンバンクはつまり貸金業です。
個人相手の融資をするノンバンクであれば、カードローン商品もあります。
消費者金融の陰に隠れがちな、銀行系クレジットカード会社、信販会社のカードローンを、ノンバンクの代表としてご紹介します。
金利については消費者金融よりお得なものもありますが、振込や随時返済などの利便性は、消費者金融にはかないません。
振込融資が受けられるのが平日日中だけである点などは、クレジットカードのキャッシング枠の機能とほぼ同一です。
銀行系クレジットカード会社のカードローン
クレジットカードでお金を借り入れるというと、キャッシング枠がまずあります。
クレジットカードのキャッシング枠は、金利が消費者金融と同等です。
ただし、海外で現地通貨を作る(海外キャッシング)には非常に便利なものの、エポスカードなど一部を除いて、融資や返済に掛かるサービスは消費者金融にかなわないものが多いです。
利用限度額も、基本的には50万円までのカードが多くなっています。
さてクレジットカードの機能とは別に、カードローンを発行しているカード会社があります。もっぱら銀行系です。
クレジットカードの業界で、もっとも格上なのが銀行系カード。
三井住友カード、JCB、MUFGカード(三菱UFJニコス)などがあります。
これら銀行系カード会社から発行されているカードローンの代表商品は、次のとおり。
・三井住友カードゴールドローン(金利上限15.0%)
・三井住友カードゴールドローンカードレス(金利上限14.5%)
・JCB CARD LOAN FAITH(金利上限12.5%)
・三菱UFJニコスローンカード(金利上限17.6%)
一部をご紹介します。
三井住友カードゴールドローン
クレジットカード業界の老舗、三井住友カードのゴールドローンは、消費者金融より安い金利15.0%の商品です。
三井住友銀行のカードローンではありません。知名度はそちらよりも大幅に落ちるものです。
限度額が50万円を超えると、12.4%と非常に低金利になります。
さすが専門の金融商品だけあって、クレジットカードより優遇された商品内容となっています。
三井住友カードゴールドローンカードレス
三井住友ゴールドローンの一種ですが、カードを発行しないタイプです。
カードがないカードローンは、消費者金融では普通の存在ですが、クレジットカード会社から出ているのは珍しいでしょう。
カードがない分、金利が0.5%優遇されています。
消費者金融の場合は、カードがなくてもインターネット返済によって随時返済が簡単なのですが、このカードの場合、随時返済しようとすると振込によらざるを得ません。
JCB CARD LOAN FAITH
銀行カードローンを下回る、上限金利12.5%という画期的なカードローンです。
カードローンには珍しく「1回払い」の融資方法もあり、こちらの金利は実に5.0%となっています。
低金利の分、宣伝費を絞っているようで、カード会員へのDMが主たる媒体のようです。
審査が厳しめになるのは金利から見て当然です。個人事業主、それからパート・アルバイトなどの非正規従業員は申込みの対象外となっています。
借り換えにも利用できることが明記されています。
信販会社のカードローン
信販会社とは、ショッピング・クレジットを本業にしている会社をいいます。
ショッピング・クレジットは、家電や携帯電話本体など、分割購入する際におなじみでしょう。クレジットカードによらない分割払いです。
マイカーローンや運転免許ローンなどでもお世話になるはずです。
もっとも、現在の信販会社はみなクレジットカードも発行しているので、クレジットカード会社との識別はしづらくなっています。
信販会社の発行するカードローンは次の通りです。
・オリコカードローン「CREST」(金利上限18.0%)
・ジャックス「プレミアビアージュ」(金利上限18.0%)
・セディナカードローン(金利上限18.0%)
オリコカードローンCREST
オリコは信販会社の代表です。クレジットカードも充実しています。
オリコのクレジットカードによるキャッシングはごく普通の内容で、大きな欠点もないかわりに利点もあまりありません。
それに比べると、専用のカードローン「CREST」のサービスは、やや充実しています。
クレジットカードのキャッシングの場合は有料になる、提携ATMでの随時返済が、CRESTだと無料です。
セディナカードローン
セディナは信販会社ですが、合併を繰り返したので、大きなクレジットカード会社の顔もあります。
三井住友銀行系で、三井住友カードのグループ内補完をする位置付けにあります。
そのセディナのカードローン、知名度は高くないものの、ノンバンクの中では屈指のサービスをしています。
それは、「即日カード発行」。午前中にWebでカードローンを申し込むと、最短30分の審査に通れば、その日のうちにカードを発行してくれるというもの。
早ければ、申込みの翌日にカードが到着します。
その日のうちに融資の受けられる消費者金融にはかなわないものの、カウンターのない信販会社としては屈指の融資スピードを誇っているのです。
さらに、消費者金融の「30日」にはかなわないものの、「7日間」の無利息期間も設けているなど、サービスに務めています。
まとめ
ノンバンクにはさまざまな貸金業者が含まれますが、この中から、あまり取り上げられないクレジットカード・信販会社のカードローンを取り上げました。
サービスに務める消費者金融以外にもノンバンクはあり、さまざまな特徴を持っていることがおわかりいただけたでしょうか。
お金を借りる必要がある場合、分類されないノンバンクのことも思い出してみてください。