マイカーを買うとき、即金で買える人ばかりではありません。

当然、ローンを組んで購入する人が多いでしょう。

自動車購入のために組むローンが、マイカーローン、あるいは自動車ローン、オートローンなどと呼ばれるものです。

ところで、新車を購入するカーディーラーに勧められて契約するものだけがマイカーローンだと思っている人も多いのではないでしょうか。

マイカーローンほど、知識がないと損するローンもありません。

その内容を詳しく見ていきましょう。

マイカーローンの性質を確認しよう

カーディーラーに勧められるまま、マイカーローンを契約してしまう人も多いでしょう。

考えなくていいのは、メリットには違いありません。

ですがローンを組むのに、ディーラーに頼む必要はありません。

いろいろとあるマイカーローンの性質を見ていきましょう。

マイカーローンは目的ローン

ローンにもいろいろあります。

カードローンは、限度額を設定してもらって、その範囲内で繰り返し使うもの。

これに対し、目的ローンは現金を借り入れるもの。

住宅ローンや教育ローン、ブライダルローンなど、使途を定めて借り入れるのが目的ローン。マイカーローンも目的ローンです。

目的ローンでは、追加の借入れはできません。

一度借りて、目的の支払いを済ませたら、あとはしっかり返済していくだけです。

目的ローンはこの点自由度を欠くものの、カードローンと比べれば金利が相当低い設定となっています。

自動車を購入するために借入れしたいのなら、マイカーローンを使いましょう。

マイカーローンには種類がいろいろあるひと口にマイカーローンといいますが、次の通り種類があります。

カーディーラーの扱う、信販会社提供のローン
信販会社や損保会社のローン
銀行等の金融機関のローン

この3種類は、金利の高い順でもあります。もっとも低金利になるのが銀行等、金融機関のローンです。

その違いを見ていきましょう。

カーディーラーのローンを契約する場合であっても、仕組みを理解して申し込むのと、セールストークに押し切られてしまうのとでは大違いです。

手続きの簡単なディーラーローンは注意すべき点が多い

新車をカーディーラーで購入するときに、勧められるのがディーラーローン。

こちらのローンは、カーディーラーを窓口として、信販会社が設定するもの。

信販会社とは、「オリコ」「ジャックス」「セディナ」「アプラス」などです。

トヨタ系ディーラーの場合は、系列のトヨタファイナンスがローンを扱いますが、これも信販会社。

最近はクレジットカード会社と業務の上で区別がつきづらくなっていますが、こうした、商品購入の際の分割払いを扱うのが本来の信販業務です。

他のマイカーローンとのもっとも大きな相違点は、ローン完済までは自動車の所有権を信販会社が持つこと。

普段クルマに乗っていて、所有権がないからといって不便なことはほとんどないので、特別気にする必要はありません。

ただ、ローンを滞納した場合は、所有権を持つ信販会社に、クルマをすぐ持っていかれてしまいます。乗る権利を失うからです。

ディーラーローンのメリット

ディーラーローンのメリットのひとつは、手続きが非常に簡単なこと。

商品を売る側がほとんど手続きしてくれますので、利用者のほうで用意するものがほとんどありません。

ローンで組む自動車購入代金は、信販会社からディーラーに直接支払われるので、利用者はお金に触る必要がありません。

それからこれは交渉次第ですが、ディーラーローンを契約することで、新車のオプションやパーツなどつけてくれることがあります。

ディーラーローンを組むとディーラーへのキックバックがあるため、売る側にもメリットがあるのです。

ディーラーローンのデメリット

いっぽう、ディーラーローンのデメリットは、次の通り。

・完済までクルマの所有権を信販会社に持たれてしまう

・金利が高め(5~10%程度)

・繰上げ返済の際、手数料を取られることが多い

ディーラーでローンを組んだあと、銀行等で借り換えローンを組む方法もありますが、ディーラーローンへの繰上げ返済手数料も考慮する必要があります。

少しでも金利を低くしたい人は、自分でマイカーローンを探しましょう。

あまり知られていないが信販会社や損保会社のマイカーローンもある

マイカーローンというと、ディーラーローンと銀行ローンの二択と思う人もいるでしょう。

ですが、これ以外にもマイカーローンがあります。信販会社や損保会社のローンです。

信販会社は、もっぱらディーラーローンに注力しており、直接マイカーローンの申込みを受け付けている会社は多くありません。

セディナ、アプラスがこれを扱っています。

損保会社のマイカーローンは、損保ジャパン日本興亜のみ扱っています。「ジャバンダ・ネットマイカーローン」という商品名が付いている商品です。

一般的な知名度はあまりないかもしれませんが、業界では老舗で、人気もあります。

信販会社・損保会社のマイカーローン金利

信販会社と損保会社のマイカーローンの金利は次のとおりです。

セディナ6.4~8.4%
アプラス0.9~7.9%
損保ジャパン日本興亜「ジャバンダ・ネットマイカーローン」1.90%~2.85%

損保ジャパン日本興亜については、金利の面からみると、銀行ローンと同等のものと考えたほうがいいでしょう。

セディナとアプラスについては、上限はディーラーローンと大差ない金利です。

もっともディーラーローンではないので、クルマの所有権は最初からローン申込者にあります。

信販会社も損保会社も、一般顧客向けの窓口はありません。ですがその分、店舗に行かずに契約を完結できるのはメリットです。

いずれのローンも、融資を受けて、自分でカーディーラーに支払いをします。

低金利なのは銀行マイカーローン

もっとも低金利で借りたいなら、銀行マイカーローンがおすすめです。

銀行の他、信用金庫、JA、ろうきんなどでもほとんど取り扱いがあります。

ご自分の居住・通勤区域内にも多くの金融機関があるでしょう。

さらに居住要件なく、来店不要の商品も多くあります。

まったく無関係の地域にある地方銀行・第二地銀でも借入可能な場合があり、それらまで含めると、大変多くの商品があります。

ただ、金利が低いということは、審査が厳しめということを意味します。この点はご注意を。

銀行マイカーローンの金利

銀行カードローンは、金利が高い商品でも、上限が5%程度となっています。

ただしネット銀行ではもっと高い場合もあります。

マイカーローンに限りませんが、金利は必ず高いほうを確認しましょう。

それと銀行の場合、固定金利と変動金利があり、選べる場合があります。

これは住宅ローンでもおなじみですが、変動金利のほうがおおむね金利が低くなっています。ただ、契約後の変動によって固定金利より高くなることもあり得ます。

銀行マイカーローンのメリット

銀行から借り入れる場合、給与振込、口座振替、銀行系クレジットカードなど日頃の取引があると、金利を優遇してもらえることが多いです。

ですから、まずメインバンクのマイカーローンを確認するのがいいでしょう。

メインバンク以外でいい商品を見つけた場合、メインバンクの変更も併せて考えるといいでしょう。

銀行の窓口に行かずに契約できる商品も増えています。

銀行マイカーローンの注意点

銀行マイカーローンの金利を比べる際に、気を付けなければならないことがあります。

金利に、保証料に含まれているものと、含まれていないものとがあるということです。

保証料が金利に含まれる場合、1.0%程度になります。金利の比較の際は、保証料まで考慮しておこないましょう。

それから、普段取引のないJA、ろうきんなどから借りたいときは、会員になる必要のあることが多いです。

まとめ

マイカーローンは千差万別です。

クルマを購入する際には、ディーラーローンだけでなく、銀行も含めてぜひよく調べてください。

低い金利で借り入れるためには、努力を惜しまないことです。