不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、自宅や土地などの不動産を担保にしてお金を借りるローンのことです。
銀行や消費者金融などのカードローンの場合、無担保でお金を借りることができます。
カードローンでは、担保を特段要求せずに、借りる側の信用力をもとにして融資を行います。
これに対して、不動産担保ローンでは、自宅などの不動産を必要とします。
不動産を担保にすることで、その不動産の価値に応じて融資を受けることが可能になります。
担保とする不動産は、必ずしも自分名義の不動産にする必要はありません。
両親や配偶者など、他人名義の不動産であっても担保として差し出すことができます。
もちろん、他人の不動産を担保とする場合は、名義者の許可が必要になるので、勝手に担保にすることはできません。
不動産担保ローンでは、個人の信用力に加えて、不動産の価値が上乗せされるので、カードローンなどの無担保ローンよりもまとまった資金の融資を受けることができます。
不動産ローンのメリット
不動産ローンは、万が一、借り手が返済不能の事態に陥っても、担保にしている不動産を回収することで、融資額を補うことができます。
通常の無担保ローンよりも、リスク軽減ができるわけです。
このような特徴から、不動産担保ローンを利用する側にも、以下のようなメリットがあります。
低金利で融資が受けられる
不動産を担保にして借入を行うため、貸し手のリスクが低くなります。
リスクが低いということで、その分、借入の金利は低くなります。
低金利になれば、借り手が返済する金額も低くなるので、返済計画を立てやすくなります。
実際の金利の数値は、担保にした不動産の価値や金融機関の審査項目によって変動してきます。
不動産担保ローンを利用する際は、複数の金融機関に申し込みを行って、金利の比較をした方が良いですね。
無担保のカードローンだと、金利が最大20%で設定されます。
無担保ローンよりも高い金利が設定されているため、支払う利息額が膨れやすいです。
これは、借り手が返済不能になった場合、融資額を回収できないリスクが高いためです。
高金利にすることで、利息を多く回収し、実質的に融資多額を利息分で回収しきってしまおうという訳です。
担保にできる不動産がある場合は、無担保ローンよりも、不動産担保ローンの利用をおすすめします。
借入限度額が大きい
不動産担保ローンでは、無担保ローンと比べて、借入限度額が大きいです。
担保にする不動産の価値に左右されてきますが、億単位での借り入れも可能になってきます。
無担保のカードローンだと、最大でも1,000万円程度のところが大半ですね。
ただ、金利の設定と同様、担保とする不動産の価値によって、借り入れできる金額が変わってくるので、全員が億単位の融資を受けられる訳ではありませんので、注意してください。
長期での契約が可能
不動産の担保ローンでは、無担保のカードローンよりも長期での契約が可能になります。
短期間で、一気に返済となると、月々の返済額も大きくなり、なかなか大変です。
一方で、長期間で返済すれば、月の返済額を無理なく設定できます。自身の収入を鑑みて、計画的な借り入れが可能になります。
金融機関にもよりますが、最長で30年間借入できる不動産担保ローンもあります。
おまとめローンとしても使える
不動産担保ローンは、借り入れ限度額が大きいので、他の借り入れをすべてまとめることも可能になります。
複数の金融機関から借り入れがある場合、余分に利息を払ってしまっている場合が多いです。
ローンは1つにまとめた方が、金利が下がって総返済額が少なくなったり、返済管理が楽になります。
ただ、自動車のローンなど、不動産担保ローンよりも金利が低いローンも存在しますので、一概には、すべてのローンをまとめるべきとはいえません。
おまとめローンとして利用する際は、不動産担保ローンの金利よりも高いローンのみをまとめるようにしてください。
事業用資金としても利用できる
銀行や消費者金融のカードローンの場合、事業資金として利用することは原則としてできません。
あくまでも、生活費の補助という位置づけが、カードローンの前提にあります。
一方で、不動産担保ローンでは、事業用の資金として融資を受けることが可能なものもあります。
起業や設備投資をする際に、銀行からの融資を受けられなかった際は、不動産担保ローンを利用をおすすめします。
銀行から直接融資を受ける場合、営業年数や業績など、様々な項目から厳しい審査が行われます。
これに対して、不動産担保ローンの場合、借り手の信用力と不動産の価値によって融資の可否が決定されます。
法人の業績などは加味されないので、直接融資の審査に中々通らない場合は、不動産担保ローンを利するのも一つの手です。
不動産担保ローンのデメリット
次に不動産担保ローンのデメリットを見ていきましょう。
不動産を失うリスクがある
不動産担保ローンを利用して、万が一、返済不能に陥った場合は、担保にした不動産を失うことになります。
不動産担保ローンでは、不動産を担保に出すため、担保対象の不動産には抵当権、根抵当権の登記がなされます。
抵当権、根抵当権とは、借り手が返済不能に陥った場合、債権者(金融機関)が不動産を売却して、売却金から融資額と利息額を回収する権利を指します。
返済不能になった場合、担保不動産は債権者のものになるので、その点、しっかり頭に入れて不動産担保ローンを利用する必要があります。
事務手数料が発生する
不動産担保ローンでは、利用の際に登記の手続きが必要になります。金融機関によって、必要な手続きは変わってきますが、概ね以下の手数料が発生することが多いです。
・事務手数料
・印紙代
・不動産鑑定費用
・抵当権、根抵当権の登記費用
これらの費用を合計すると、だいたい数十万円ほどの金額なってくるので、あらかじめ準備するようにしましょう。
審査、融資までにタイムラグがある
消費者金融のカードローンの場合、最短で即日で融資を受けることもできます。これに対して、不動産担保ローンの場合は、審査完了までに約1週間ほどかかります。
担保とする不動産の規模によっては、更に時間がかかることもあります。
不動産担保ローンを利用する際は、すぐに融資が受けられると思うのは厳禁です。1ヶ月ほどは時間にゆとりをもたせて、利用するようにしましょう。
まとめ
不動産担保ローンでは、カードローンなどの無担保ローンよりも、大型の融資を受けることが可能になります。
担保にする不動産の価値にもよりますが、数億円単位での借り入れも可能になります。
不動産担保ローンは個人で利用するのは勿論のこと、法人が事業用の資金として利用することもできます。
銀行から直接融資を受けることができなかった場合は、不動産担保ローンを使って融資を受けるのも一つの手です。
ただ、不動産担保ローンを返済不能になった場合は、担保とした不動産を失ってしまいます。
あくまでも、不動産を差し出して、融資を受けるということを忘れてはいけません。
不動産担保ローンは、長期間での借り入れも可能ですので、毎月無理なく返済できるよう、返済計画を立てていきましょう。
返済期間は、金融機関によって差が大きいので、比較検討を忘れなく行うようにしてくださいね。