カードローンを発行する金融機関は多数あります。
最も有名なのは、消費者金融。
他にも、知名度はあまりないものの、クレジットカード会社や、信販会社がカードローンを発行しています。
ですが、いろいろある中で、一般的にもっとも金利が低いのが銀行カードローンです。
銀行カードローンだけは、根拠法令が銀行法にあるため、他のカードローンとは性質がやや異なります。
消費者金融カードローンとの違いに着目しながら、銀行カードローンの特徴を見ていきましょう。
銀行カードローンは金利が低め(例外あり)
銀行と、貸金業法の監督下にある消費者金融とでは、融資の根拠法令が異なります。
ですが、金利に関してはどちらも利息制限法の適用を受けます。
かつてはグレーゾーン金利を生み出したザル法だったのですが、現在はこれを守らない金融機関は皆無です。
利息制限法の上限金利は、18.0%(100万円未満の限度額の場合)となっています。
消費者金融がほぼ、この上限金利で貸出しをしているのと比べ、銀行カードローンはおおむね14~15%程度の金利となっています。
上限金利
銀行カードローン・・・14.0%~15.0% |
消費者金融・・・18.0% |
銀行では14.6%という金利設定がよく見られます。数字が半端なようですが、1年の日数365で割り切れるため、古くから用いられてきた金利です。
以前はもっと低金利の銀行カードローンもよく見られましたが、保証会社(実質的には消費者金融)が契約に入るようになってからは、この程度の金利が普通です。
もっとも、金利については消費者金融にも、銀行にもそれぞれ例外があります。
銀行カードローンでも、ネット銀行の中には、金利が高いものもあります。
たとえば以下の銀行。
ジャパンネット銀行・・・18.0% |
オリックス銀行・・・17.8% |
じぶん銀行・・・17.5% |
もっとも、楽天銀行や住信SBIネット銀行等、一般の銀行と同等の金利のネット銀行もあるので、ネット銀行がみな高金利ではありません。
いっぽう消費者金融でも、銀行に負けていない低金利のものが見られます。
ジェイ・スコア・・・12.0% |
オリックス・クレジット・・・14.5% |
ジェイ・スコアは、Yahooとみずほ銀行が組んで始めた新たなカードローンです。
カードによるキャッシングがないためカードローンという名称は使っていません。振込限定で融資が受けられるローンですが、これもカードローンの一形態といえます。
オリックスグループ内のカードローンは、銀行と消費者金融とで、金利が逆転しています。訴求する利用者層も逆転しています。
金利が低いと審査難易度は高くなる
誰でも、金利は高いより低いほうがいいと思うでしょう。
ですが金利の高低は、同時に審査の難易度も決めてしまいます。
貸す側からすれば当然で、金利が高ければ、少々貸し倒れが発生したとしても利益は出るのです。
金利が低いと、それだけ貸し倒れを回避しなければなりません。当然、審査において絞り込まなければなりません。
銀行カードローンの審査が厳しくなるのは当然なのです。
銀行カードローンは即日融資不可(例外なし)
銀行ローンは、現在は即日融資不可となっています。申し込んだその日のうちに借入れすることは一切できません。
銀行法等で禁じられているわけではありませんが、事実上不可能です。
現在、銀行はカードローンの申込みを受けたとき、利用者が反社会的勢力の関係者でないかどうか警察庁データベースで照会することになっています。
これにより、どんなに審査がスピーディでも、1日は掛かります。
現在、銀行カードローンでは、審査のスピードはアピールしていません。
それでも早い場合「翌日融資」が可能なのですが、銀行の側でも審査に要する日数を保証できないようです。
2017年までは、銀行も即日融資をしていました。
銀行カードローンには、消費者金融が保証会社として契約に参加していますが、実質的には審査の大部分をおこなっているのが、この保証会社である消費者金融。
個人向け融資のノウハウを豊富に持つ消費者金融ですから、即日融資などお手のものだったのです。銀行は労せずして個人向け融資を拡大できました。
しかし、その結果暴力団に銀行融資が渡るという事件があったため、利用者が反社会的勢力の関係者でないか詳しく調べることになったのです。
また、銀行融資が無制限に拡大していき、中には年収を超えて貸出しをするような事例が見つかったことも、審査厳格化の背景にあるでしょう。
銀行カードローンは総量規制外(しかし無制限に借入可能ではない)
消費者金融等の貸金業者に対しては、現在総量規制というルールが課せられており、無制限の貸出しができなくなっています。
かつては、自らの収入のない専業主婦にも貸し付けていた消費者金融ですが、現在ではこのようなことは法律上できません。
配偶者貸付という法の例外はあるものの、これによる融資をおこなっている業者は数少ないです。
消費者金融では、個人の年収の3分の1までしか貸出しができなくなっています。すでに3分の1を借りている人に対しては、別の業者も貸出しできません。
いっぽう、このような規制は銀行にはありません。
法律上は、年収と無関係に貸し付けていいことになっています。
とはいえ、銀行の貸し過ぎ批判が大きくなった今、銀行は過大な貸付けを自粛しています。
消費者金融は貸してくれないが、銀行だったら年収の3分の1以上貸してくれると思っても、そうはいきません。
銀行カードローンは保証会社が入る
銀行カードローンは、必ず契約に保証会社が入ります。
保証会社は、融資が回収できないときに、ローン借入者に替わって銀行に弁済する役割を担っており、この代償として保証料を受け取っています。
保証会社は、その多くが消費者金融です。
みずほ銀行のように信販会社のオリコが入っていたり、他の銀行でも系列のクレジットカード会社が保証会社に入っていたりすることもあります。
保証会社は実質的に銀行ローンの審査の大部分をおこなっています。
融資するのは銀行の資金ではあるものの、回収不能の融資をしてしまうと、結局保証会社である消費者金融が銀行に弁済しなくてはならないわけです。したがって、審査は真剣にならざるを得ません。
銀行カードローンに、保証会社としてどの消費者金融が入っているかはそれほど気にする必要はありません。
ですが、保証会社を務める消費者金融でかつて借り入れをしたことのある人の場合、問題になる可能性があります。
その際に返済遅れなど迷惑を掛けたことがある場合は、銀行のローン審査には通りづらくなります。
個人信用情報は過去5年しかありませんが、このような業者ごとの記録は社内にずっと残っているからです。
銀行カードローンを使うには普通口座が必要(例外あり)
消費者金融では、銀行口座がなくてもカードがあれば借入れ、返済ができます。
いっぽう、銀行カードローンの場合は基本的に、その銀行の普通預金口座がないと利用できません。
そして、毎月1回の口座引落し返済が必須となっています。
もっとも例外もあります。
三菱UFJ銀行「バンクイック」 |
北洋銀行「スーパーアルカ」 |
スルガ銀行 |
オリックス銀行 |
イオン銀行 |
じぶん銀行 |
これらの銀行では、普通預金口座は不要です。
普通預金口座が不要ということは、口座引落しをしなくてもいいということです。
自由度が高く、消費者金融カードローンに似ています。
もっとも、普通口座を持っていたほうが便利に使えます。
まとめ
消費者金融との違いに着目して、銀行カードローンを見てきました。
他にも違いはあるものの、結論としては興津店のほうがずっと多いことがおわかりいただけたでしょう。
急いで融資を受けるのでなければ、銀行カードローンも選択肢に加えてください。